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知って得する豆知識

毎月1回、LPガスに関する様々な情報を更新しています。
皆様の業務のヒントとしてご活用下さい。
2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003

潜熱回収型給湯器の注意点(12月)

▼前回、潜熱回収型給湯器(エコジョーズ)のお話をしましたが、この給湯器を設置した場合には、注意することがあります。▼従来型給湯器の排ガスは、高温のため周りの空気より軽く上昇拡散します。しかし、潜熱回収型給湯器の排ガスは、従来型給湯器 の排ガスに比べ排ガス温度が低いため、上昇拡散しにくく、風通りの良くない場所に設置した場合には、排ガスが滞留し易くなることが考えられますので、設置場所に注意が必要です。 【参考】火力発電所等の事業用ボイラーは、様々な排ガス処理の過程で排ガス温度が下がるので、温度の下がった排ガスをボイラーに導いて再加熱して温度を上げ、煙突から上昇拡散する事により近隣への有害成分着地濃度を減少させています。

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潜熱回収(11月)

▼物質がある温度の固体から同じ温度の液体へ変化するときに必要とする熱を「融解熱」と、更に、ある温度の液体から同じ温度の気体に変化するときに必要とする熱を「気化熱」と呼び、各々において熱が吸収されます。逆に、気体から液体に、液体から固体に物質の状態が変化する場合には、各々を「凝縮熱」、「凝固熱」と呼び、熱が放出されます。潜熱とは、固体、液体、気体へと物質の状態が変化するときに吸収・放出する熱のことで、融解熱、気化熱、凝縮熱、凝固熱を総称して潜熱と呼びます。

▼例えば、0[℃]の氷から0[℃]の水に変化するためには、79.4[kcal/kg]≒335[kJ/kg]の熱が必要となりますが、更に、100[℃]のお湯から100[℃]の水蒸気に変化するためには539[kcal/kg]≒2,250[kJ/kg]の熱が必要となります。
▼潜熱回収とは、気体から液体に変化する時に放出される熱(凝縮熱)を回収することで、水蒸気が水に変化する時には539[kcal/kg]≒2,250[kJ/kg]の熱が得られます。 ▼この潜熱は意外と大きく、排ガス中の水蒸気(燃料中の炭化水素が燃焼により、空気中の酸素と反応して生成される水分)を1[kg]の水(=1リットル)に変えるだけで、539[kcal]≒2,250[kJ]の熱を得ることができます。539[kcal]≒2,250[kJ]の熱量は浴槽(180リットル)の温度を約3[℃]上昇させることができます。
▼ガスが10,000[kcal]燃焼すると、約1.25[リットル]の水分(水蒸気)が発生しますので、潜熱を全部回収できたとすると、10,000[kcal]のガスは、約10,674[kcal](約6.7%)も熱量が上がったこと同じになります。

▼最近、この原理を応用した「潜熱回収型給湯器(エコジョーズ)」が市場に出回るようになりましたが、この給湯器は、排ガス中の水蒸気(約200℃)を凝縮する(水に変化する)際に出る熱(潜熱)を回収しています。従来型は、熱交換器の耐久性を考慮して、潜熱を回収せずに排ガスをそのまま放出していました。潜熱回収型給湯器は、耐腐食性に優れたチタン、ステンレス等の材質を用いた2次熱交換器を搭載することにより、排ガス中の潜熱を回収できるようになりました。給湯器の熱効率は、従来型の約80%から90%以上にまで向上しています。(*1〜3)

(*1) 給湯器の熱効率
   =給湯器で有効に利用できる熱量【給湯器の出力】
    /給湯器が消費した燃料の総発熱量

(*2) 従来型: 給湯器で有効に利用できる熱量【給湯器の出力】
   =熱交換器回収熱量

(*3) 潜熱回収型: 給湯器で有効に利用できる熱量【給湯器の出力】
   =熱交換器回収熱量【従来型(1次)熱交換器】
    +潜熱【2次熱交換器(主に排気ガス中の水蒸気の蒸発潜熱)】

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ガス機器を共用ダクトに接続する場合の注意(10月)

 前回、ガス機器の給排気に関し、集合住宅等におけるPS(パイプシャフト【Pipe Shaft】)についてお話をしましたが、築年数の古い中層以上の集合住宅等では、ガス機器の給排気に「共用ダクト」が用いられているものがあります。

1.共用ダクトとは
 共用ダクト(以下、「ダクト」という。)とは、集合住宅等においてガス機器の給排気を行うため、住戸の縦系統別に最下階から最上階(屋上)まで貫通するダクト状の空間を設け、各住戸が給排気筒として共用するスペースのことで、「共用給排気筒」とも呼ばれています。ダクト内は、給気用と排気用とに分かれていない一本の筒状の構造となっており、ガス機器は、ダクト内の雰囲気を給気して、再びダクト内へ排気します。ダクト内に給気と排気とが混在するため、上方階に設置されたガス機器の給気は、下方階に設置されたガス機器の排ガスを吸い込む事になりますので、ガス機器の設置工事・交換工事等をする上で注意が必要です。▼なお、ダクトには「SEダクト」と「Uダクト」とがありますが、形状の違いであってガス機器にとっては、同じ条件です。

▼ダクトの概念図はこちらから
http://www.lpgpro.jp/guest/magazine/1010.pdf

2.ダクトの設計ポイント
 ダクトの設計でポイントになるのは、ダクトの有効断面積です。面積が大きいとトラブルは発生しませんが、居住区が狭くなりますので一般にはぎりぎりで設計されます。▼面積はダクトに接続される最上階のガス機器の給気中の酸素濃度が、18.5%以上に保たれる大きさになるように設計されています。面積の計算は、ダクトに接続しているガス機器の台数、総ガス消費量、同時使用率から計算されます。

3.ダクトに接続できるガス機器の条件
 ダクト内の空気には排ガスが含まれているので、ダクトに接続するガス機器は、なんでも良いわけではありません。次の4項目の条件を満足する必要があります。
(1)密閉型ガス機器であること
 ダクト内の排ガスが室内に流失しないためと、防火区画の形成のため密閉式でないと問題になります。
(2)低酸素で燃焼できるガス機器であること
 ダクトの最上段に接続されたガス機器の給気は、酸素濃度が18.5%の可能性があります。一般のガス機器は、酸素濃度が20%以上必要で、この値以下の低酸素状態になると不完全燃焼します。
(3)湿気に強いガス機器であること
 排ガスには酸性のドレンが多量に含まれています。給気と一緒にドレンもガス機器内に入ってきますので、ドレンによって故障するような機器は接続できません。
(4)(財)日本ガス検査協会(JIA)の検定品であること
 JIAのダクト仕様の検定合格品でないと、ダクトには接続することが出来ません。合格品は当然前記の条件を満足しています。
(5)なお、ダクトに接続するための関連部品等については、メーカーが専用部品を製品として用意していることが一般的ですので、これら製品を活用してください。

4.交換時の注意
 ダクト面積によって接続できるガス機器の能力が決まっています。現在接続されているガス機器の能力以上のガス機器を接続する場合、ガス機器の能力が向上した分の酸素が使われることから、上方階のダクト内の空気中の酸素濃度が18.5%以下になる可能性があるため、このような場合には、ダクト面積の計算を改めて行うことが必要です。▼計算する場合は、ガス機器を交換してもダクトに接続しているガス機器の台数分以上のダクト面積が確保されているかどうかを確認します。また、現在ダクトに接続している機器を全部交換しようとしている場合でも、新しいガス機器の燃焼に必要なダクト面積以上なければ、その機器を使用してはならないことになります。▼現在使用している部屋の保護ですから厳守して下さい。

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PS設置上の各種規制(9月)

1.PSとは
▼「PS」とは、パイプシャフト【Pipe Shaft】の略称で、建物の各階を貫通して、上下水道・電気・ガスなどの設備用の竪管を収納するスペースのことです。▼PSには、ガスメーターや水道メーターが設置されていますが、ガス配管、ガスメーターがあるため、爆発の恐れがある場所としての扱いを受けることから、内部は不燃構造(木造モルタル構造では出来ない。)であることが求められ、併せて火気(被覆がなく導体がそのままむき出しになっている電線(裸電線)を含む。)厳禁のスペースとして扱われています。《参照: 「ガス機器の設置基準及び実務指針【(財)日本ガス機器検査協会発行】(以下、この記事において「黒本」という。)」(第6版)後編 P.139[注:平成22年現在、第7版発行])》
▼良く似たスペースにチャンバ室がありますが、チャンバ室は、ガス機器又はガス機器の給排気のための専用室で、ガス機器に必要な、コンセント等の電気設備を設置することが出来ますが、メーター類等を設置することは禁止されています。《参照:黒本(第6版)後編 P.325「チャンバ設置」》

2.ガス機器の設置できるPSの条件《参照:黒本(第6版)後編 P.165》
▼PSに限らず、階段(屋外と規定されていますが屋内階段も同様です。)から5[m]以内にガス機器を設置することは出来ません。PS設置型機器のみが特例で5[m]以内2[m]以上に設置することができます。また、2[m]以内に近づけるためには全面を鋼製の扉で覆う必要があります。▼階段とは、廊下が見える部分が階段の扱いになり、各離隔距離の基準になります。壁等で見えない部分は、階段の離隔距離から外れます。しかし、階段の扱いを受けるPSにはガス機器を設置することは出来ません。また、PSが設置されている廊下は開放片廊下のみで、中廊下や窓等で閉塞されている片廊下に設置されているPSには、ガス機器を設置(FF式機器を含む。)することは出来ません。PSの扉は0.8[mm]以上の厚みの鋼製で、施錠等の出来る構造になっていなくてはなりません。《参照:黒本(第6版)後編 P.143》

3.PSに設置できるガス機器
▼火気厳禁のPSなのでどんな機種でも設置できる訳ではありません。PSに設置できるガス機器はPS設置型・FF型の2種類のガス機器のみです。《参照:黒本(第6版)後編 P.134》▼PS設置型とは、以下の事項に該当するものであることが必要です。《参照:黒本(第6版)後編P.138》▼FF型も設置型と同様の規定があります。チャンバ室に設置する場合は上記の規定はありません。

4.開放片廊下関連の規定
▼廊下は人が通ります。人の通る廊下に排気しますので通気性だけでなく、排ガスの滞留,居室内への流入,直接人に対しての影響等充分に注意が必要です。

(1) 排ガスの滞留《参照:黒本(第6版)後編 P.160》
▼廊下に下がり壁(300[mm]以下)があった場合には、天井付近に滞留します。▼排ガスには、酸性のドレンが多量に含まれていますので蛍光灯等の腐食に繋がるほか、冬場には建物が冷えているために天井に結露して垂れてくることがあります。▼また、ロビーのような広い場所では外気まで距離があるので同じような問題が出ます。

(2) 居室内への流入
▼家の開口部から600[mm]の離隔距離は知られていますが、開口部や開口方向はあまり知られていません。▼PSにおいては2つあります。《参照:黒本(第6版)後編 P.163》▼アルコーブ設置の場合、ドアはガス機器側に開くようになります。▼片廊下に下がり壁や袋小路等排気の滞留があるような場合、開口部を設けることが出来ません。ただし、逆流防止装置(連動シャッター付き換気扇等)付きは設置できます。

(3) 排気口の高さ《参照:黒本(第6版)後編 P.144》
▼廊下を通る人に直接排ガスが当たらないように床面から1800[mm]程度の高さが必要ですが、この高さは各地の消防条例の扱いになるため1800[mm]以上と決めている消防もあります。1800[mm]未満の場合は、所轄の消防に事前の確認をする必要があります。

5.排気延長
PS設置は屋外になるため排延長部材や工事資格(特監)に規定はありませんが、機器上に大きな規定があります。

(1) 同一風圧帯内に機器と排気口があること。《参照:黒本(第6版)後編 P.146》
▼屋外排気延長タイプの機器はFE機器と異なります。FE機器の場合逆風(異種風圧帯の場合では風が吹くと必ず発生する。)が発生した場合、通風が規定量に戻るまで燃焼のみ停止します。排気延長タイプは逆風になった場合でも燃焼は継続(不完全燃焼します。)しますので危険な状態になります。

(2) 排気筒の居室内通過の禁止《参照:黒本(第6版)後編 P.146》
▼排気延長部材の規定が無いことと「1」の不完全燃焼するために居室内に一酸化炭素が流入し事故が発生しています。この事故の防止のためこの規定が出来ました。居室を通さないと排気できない場合には、FF/FE機器で対応しなければなりません。《参照:黒本(第6版)後編 P.148》▼ただし、PS内は火気厳禁のためFE機器はほとんど認められません。《参照:黒本(第6版)後編 P.144》

(3) FF機器の排気延長《参照:黒本(第6版)後編 P.144》
▼PS内の壁に取付けPS扉の上に給排気トップを取付けて、片廊下で給排気するのが基本です。廊下を飛び越えて排気を出す場合には消防の確認が必要になります。また、特監のラベルも必要です。

(4) 消防関係
▼設置工事にあたっては、各地域の消防条例に基づくことになるため、設置先の地元の消防に問い合わせなくてはなりません。例えば、東京消防庁では、片廊下の天井内に排気延長の排気筒を隠蔽する場合には、天井の開口率を50%以上取ることが規定されています。工事事業者の事務所の近くの消防ではなく、必ず機器を設置する地元の消防と打合せをする必要があります。

6.PSの気密性
▼PS内は火気厳禁です。したがって、本体の外装は0.8[mm](防火戸と同じ)を使用し密閉されております。燃焼に必要な空気はPS内からは給気しません。特に扉内設置の場合では排気筒の周囲から給気します。PS金枠と扉内設置ケース・機器のセット個所にはパッキンを入れて気密を保っています。《参照:黒本(第6版)後編 P.143》▼また、電気接続口は開放になっていますが、可とう電線管で接続するためにPS内に対しては密閉状態になります。

7.PSの寸法の規定
▼PS内の間口、奥行きの寸法は各地の水道条例で規定されています。これは水道メーターの交換時に必要な広さを確保するために規定されています。大きくは出来ますが規定より小さいPSは出来ません。必ず、水道局へ確認して下さい。
【例】川崎市水道局は間口700[mm]以上必要です。

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給水設備の話(8月)

▼給湯器の種類によって必要水圧も圧損(「圧力損失」の略)の考え方が違ってきます。今回は、瞬間式給湯器に必要な水圧と圧損について説明します。

1.圧損とは
▼水が機器や配管・バルブ等を流れると、管内面との摩擦抵抗等により水圧が低下しますが、この低下した水圧と給水圧との圧力差を「圧損(圧力損失)ΔP」と呼びます。圧損は、電気抵抗のように、長さに比例し、太さに反比例します。また、カランや継手等のような曲がりなどにより流れが変化するような部分は、抵抗が大きくなるので圧損も大きくなります。▼また、圧損は、水の流れる配管等によって決まるだけではなく、流れる水量でも影響します。圧損は、流れる水量の変化の二乗に比例します。水量が2倍になると圧損は4倍に、3倍になると圧損は9倍になります。圧損は一定の数字ではなく条件によって変動するため、水圧(P)と水量(Q)との関係を示した「P−Q特性図」で表わされています。

▼「P−Q特性図」はこちらから
http://www.lpgpro.jp/guest/magazine/100810.pdf

2.給湯器の圧損
▼瞬間式湯給湯器には過流出を防止するために、水量サーボや水ガバナが組み込まれています。そのため、カランや継手のように水量と圧損だけではなく、給湯器の制御の影響を受けます。▼ここで、添付の「P−Q特性図」を見てみましょう。(ここでは、便宜的に、低下した水圧自体を「圧損」と呼ぶこととします。)▼Aリットルの水を流すためには、B[Pa]以上の圧力が必要ですが、圧力がC[Pa]あった場合でも給湯器からはAリットルしか吐出しません。これは、この給湯器の過流出の水量がAリットルのため、水ガバナ又は水量サーボが作動し、Aリットル以上、吐出しないようにしているからです。▼給湯器の「P−Q特性図」は、給湯配管せずに機器単体の抵抗です。従って、給湯器としての圧損は、給湯器に加えた圧力そのものが圧損(開放された部分は圧力0[Pa]のため給湯口は0[Pa])となり、B[Pa]のときの圧損はB[Pa]で、C[Pa]のときの圧損はC[Pa]になります。

3.給湯器の必要水圧
▼給湯器の必要水圧は、給湯器の能力を充分に引き出すために必要な圧力です。「P−Q特性図」の水量が水平になる最低圧力が給湯器の必要水圧になります。▼ただし、システムの圧損は含まれませんので、給湯システムの必要水圧の計算には、設備側の圧損を給湯器の必要水圧に加算する必要があります。

4.給湯器の圧損と設備の圧損
▼給湯器の圧損は、設備の圧損の変動により変化します。

関連式:(給湯器の圧損)=(給水圧)−(設備の圧損)

▼設備の圧損の変動は、使用するカランや落差等の違いによって生じます。カランでは単なる蛇口とシャワーとでは倍以上違いますし、1階と2階とでは0.3 [Pa]程度の差が出ます。▼設備の圧損が大きくなる時は、給湯器の水ガバナは開放に近い状態で給湯器の圧損を減らし、水ガバナの設定水量を流しますが、設備の圧損が小さくなると過流出を防止するため、水ガバナは閉状態(圧損が高い状態)になりガバナ設定量を維持します。▼ただし、「(給水圧)≦(給湯器の圧損)+(設備の圧損)」になると水量はガバナ設定量より減少します。

5.まとめ
▼以上、給湯器の必要水圧の求め方についてご紹介してきました。
現実には2階給湯の場合もあり、これには配管の圧損に加え、水頭圧(押し上げる圧力)も加算する必要があります。▼また。必要水圧は給湯器によっても異なり、それぞれ能力が発揮できる給湯圧がメーカーにより推奨されていますのでそちらを参考にしてください。

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給水設備の話(7月)

▼よくある質問に「水道管が15Aだが24号の給湯器は使用できるのか?」、「給湯器を16号から24号に交換したいが、このままの設備で24号の能力が出るのか?」といった「既設の給湯器より大きい給湯器に交換する場合に必要な給水量の確認等」に関するものがあります。▼新築の場合は、新規に水道管を引き込むので、最初から20Aで配管することが出来ますので、この様な質問はありません。交換やリニューアルの場合、給水管の交換が出来ない状況が多いことから、この様な質問が多く寄せられますが、電話での問い合わせの場合は、「水圧があれば可能です。」と中途半端な回答になってしまいます。▼具体的に回答するためには、現地の給水状況を調べ、給湯器の能力以上の給水量が確保できるかどうかを判断しなくてはなりません。今回は、既設の給湯器より大きい給湯器に交換する場合に必要な給水状況の確認方法についてお話します。▼給水状況を確認するには、圧力計と水量計を使用して、P(圧力)−Q(流量)特性図を作る必要がありますが、これを作る技術者も計測機器もないのが現状です。では、どうしたら良いでしょうか。▼一つの目安として使える簡便な確認方法は、2ヶ所の水栓を同時に開けてみることです。例えば、水のみ(お湯にすると、給湯器の特性が影響するため、給水状態を知ることが出来ません。)でシャワーを出しておきます。次にシャワーが出ている状態で台所の水栓から水を出します。その時にシャワーの勢いが変わらなければ、その時に出しているシャワーと台所の水量をまかなうことが可能な配管径と水圧があると判断できます。▼この場合は、24号の給湯器を使用しても、24号の能力を得ることが出来ます。これは、24号の能力が冬場にシャワーと台所の同時使用が出来る能力であり、同時使用した場合にも水量が確保され、24号の能力をフルに引き出すことが出来ます。▼逆に、台所の水栓から水を出した時にシャワーの勢いが弱くなる場合は、供給されている水量が少ないことになります。この場合、24号を設置しても24号の湯量を確保できないので、24号の能力をフルに引き出すことが出来ません。つまり、20号や16号の状態で使用することと同じことになります。

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給湯器の種類と特徴(3月)

保安専門技術者研修専任講師  小澤 正之

1.給湯器の分類
▼給湯器では、点火の開始・停止を制御することを「運転制御」といいますが、この運転制御の違いにより、水流を感知して燃焼する「瞬間式給湯器(石油給湯器の場合は、直圧式給湯器が瞬間式に相当します。)」と、水温を感知して燃焼する「貯湯式給湯器」との2種類に大きく分類されます。▼瞬間式給湯器と貯湯式給湯器とでは、この運転制御以外にも湯温や湯量・水圧等の制御や仕組み等が異なりますので、使用目的(お湯の使い方)によって給湯器を使い分ける必要があります。今回のお話は、「瞬間式給湯器」と「貯湯式給湯器」との違い、特徴について紹介します。

2.運転制御の違いと特徴
◆瞬間式給湯器
瞬間式給湯器は、運転スイッチを入れただけでは点火せず、給湯器内にあるダイヤフラム弁や水量センサーにより流れている水量を測定し、給湯器を通過する水量が一定以上流れると燃焼を開始します。▼このときの水量を「点火流量」といいますが、水量が点火流量以下の場合には、いつまで経っても点火しません。なお、この状態で長時間使用すると熱交換器にドレンが発生して故障の原因になります。

◆貯湯式給湯器
貯湯式給湯器は、カランを開けなくても運転スイッチを入れると点火しますが、お湯を貯める缶体に付いたサーモスタットで缶体内の湯温を測定しており、設定湯温から一定以上の温度(貯湯量により点火温度と停止温度の差が異なる。)が下がると点火し、設定温度まで上昇すると停止します。これを繰り返すことで、お湯の設定温度を保っています。

3.水の制御の違いと特徴
◆瞬間式給湯器
瞬間式給湯器の出湯量と出湯温とは反比例します。高温を得るためには湯量を少なくし、低温にすれば湯量は多く取れます。従って、出湯量を一定に保つように水を制御しています。水量サーボや水ガバナが水の出過ぎを防ぎ、お湯になるように調節しています。給湯の圧力は給水圧力に近いため、充分な水圧があれば一階に給湯器を設置して二階に給湯しても一階の給湯量と同じ量を得ることが出来ます。▼水量サーボは、能力・水温・設定温度によって流せる水量を自動計算していますが、水ガバナは設定された水量以上を出さない固定式水ガバナ(可変式は水温を感知して若干の水量調節をします)があり水量サーボは高級機に組み込まれています。

◆貯湯式給湯器
貯湯式給湯器は、法令上(*)の簡易ボイラ(適用外ボイラ)として設計製造されており、この場合、缶体内の圧力が0.1MPa【=1.01972kg/cm2≒1kg/cm2】以下と規定されていることから、水道直結可能の表示があっても缶体内の圧力を0.1MPaにするため、減圧逆止弁(0.08MPa【≒0.8kg/cm2】)を使用しなくてはなりません。▼また、貯湯式給湯器は密閉状態で加熱するため、缶体内のお湯が膨張して0.1MPa【≒1kg/cm2】以上(缶体は、変形破損します。)になることから、安全弁(0.095MPa【≒0.95kg/cm2】)を取付け、圧力を0.1MPa以下に保つ必要があります。燃焼中で給湯していない時には、安全弁から少量の排水(膨張分=貯湯量の約3%)をしますので、必ず排水管を取付けなければなりません。▼一階に設置した給湯器から二階以上に給湯しようとする場合、お湯の圧力は1mで0.01MPa【≒0.1 kg/cm2】下降しますので、二階部分(約3m)では、約0.03MPa【≒0.3 kg/cm2】下がることになり、お湯の量は一階よりも少なくなります。(このため、状態に応じて給湯加圧ポンプを使用します。)

(*)ボイラー及び圧力容器安全規則
 (昭和47年9月30日労働省令第33号)

4.構造の違い
◆瞬間式給湯器
瞬間式給湯器は、水が流れている状態で加熱されてお湯になりますので、加熱しやすいコイル式(貫流式)の缶体構造を持っています。水が流れている状態で加熱しますので小型にしないと加熱速度が遅くなり、お湯になるまでの時間が長くなってしまいます。複雑な構造になるために熱伝導や加工性の良い銅(水道用)が一般に使用されています。

◆貯湯式給湯器
家庭用の貯湯式給湯器は、電気温水器を除き、10〜100リットル程度の貯湯量を持っています。20リットル以下は一般に瞬間貯湯式と呼ばれています。▼缶体内には水が入り、非常に重くなることから、しっかりした基礎の上に設置しないと危険です。(自重+貯湯量:水1リットル=1kg)▼缶体の形状は色々な形状がありますが、一般には煙管式缶体(ドラム缶の下方に燃焼室があり燃焼室から何本かの細い管が水の中を通り熱交換した後上部で一つにまとまり排気される)が使用されています。構造的には単純ですが大きくなるため、銅のような軟らかい金属では強度が保てないので、ステンレス鋼を用いることが一般的です。(業務用の貯湯式給湯器の場合、非ステンレス鋼であることが一般的です。)

5.お湯の出方の違い
 (構造が違うため、お湯の出方も変わります。)
◆瞬間式給湯器
カランを開けてから燃焼が開始しますので、お湯になるまで若干の時間がかかるほか、カランの短時間の開閉時には冷水サンドイッチ現象が発生します。

◆貯湯式給湯器
運転スイッチを入れてから5〜30分経過しないとお湯になりません。したがって常に運転スイッチを入れて、いつでも使用できるように準備しておかないと使いにくい給湯器になります。▼しかし、一度お湯になってしまうと瞬間式給湯器では点火しない程度の湯量でも給湯でき、溜まっている湯温は変化しませんので冷水サンドイッチ現象は発生しません。ただし、貯湯量以上を給湯すると湯温は急激に低下します。(電気温水器では、お湯がなくなると水になります)▼また、瞬間式と異なり給湯した瞬間にお湯が出ますので、沸き上がっていると瞬間式より早くお湯が出ます。

6.能力と湯量の違い
▼石油給湯器とガス給湯器では能力の表示が異なります。kW(kcal)と号数表示です。
1号は1.744kW(1500kcal)ですから比較する時には換算して下さい。また、1kWは860kcalです。

◆瞬間式給湯器
瞬間式の場合は能力と出湯量とは比例します。能力以上のお湯は出ませんから同時使用したような場合には、先に出していたカランでは、湯量が減ってしまいます。したがって、能力を決定する場合には、最大使用量から能力(号数)を決定します。▼号数×25=上昇温度(℃)×1分当たりの出湯量(L)

◆貯湯式給湯器
貯湯式の場合には能力の決定も重要ですが、貯湯量の決定は更に重要になります。能力が小さくても貯湯量が多ければ、多量の給湯が可能です。▼例えば、電気温水器の場合、一晩掛かって沸かしたお湯で翌日1日の給湯を賄っています。沸かす時間もかかりますが、使用できる湯量が多くなります。(短時間に多量出湯も可能)逆に、能力が大きくて貯湯量が少ない場合(瞬間貯湯式)では、ある程度(貯湯量による)給湯するとぬるくなります。この場合の使用はこまめにカランを止め、次に使用するお湯を止めている間に沸かし上げると言う使用方法になります。▼使用している給湯器を貯湯式給湯器から瞬間式給湯器に交換する時には、大型の給湯器を入れないと湯量が少なく感じます。

7.「器」と「機」の違い
今回のお話では、「給湯き」の「き」を「器(うつわ)」という漢字で統一しましたが、「給湯き」の設計・製造・販売等をしている専門分野の方々の間では、使用する燃料によって使い分けがなされています。ガス体を燃料とする場合は「給湯器」と、液体(石油等)を燃料とする場合は「給湯機」と各々表記しています。

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アルコーブタイプの設置上の注意(2月)

保安専門技術者研修専任講師  小澤 正之

1.アルコーブとは
▼アルコーブとは、マンション等の集合住宅にける共用廊下から引き込んだ各住戸の玄関前の空きスペースのことで、ドアの開閉時に部屋の中が見えてしまうのを防いだり、共用廊下を歩いている人に開けたドアがぶつかるのを防ぐなどの目的があります。

2.アルコーブ設置とは
▼アルコーブは、構造上、廊下に対して凹んでおり、また、間口1500mm以下である場合が多いので、排ガスがこもり易くなります。このため、廊下に直接排気しないとアルコーブに排ガスが滞留し、給湯器がショートサーキット(再度給気される状態)して不完全燃焼するだけでなく、ドアから排ガスが室内に流入することもあります。
▼これを防止するため、アルコーブ設置型の片側方排気筒が用意されており、また、排ガスが室内に流入する恐れの無いように、ドアの開く方向(給湯器側に開く)も指定されていますので、排ガスが滞留しないように充分に注意して下さい。
3.排気の高さ
▼アルコーブ設置だけではなく「PS(パイプシャフト)設置式」全般に言えることですが、廊下を歩く人に直接排ガスが当たらないように廊下面から1800mm程度の高さにしなくてはなりません。(ただし、地元消防機関により規制が異なる場合がありますので確認が必要です。)

4.アルコーブ設置専用のガス機器を壁に設置する時
▼アルコーブ専用のガス機器の場合では、後面近接を受験(ガス機器防火性能評定委員会認定)してない場合がありますので、後面の壁との離隔距離を防火上45mm(不燃材を挟んだ場合20mm)取らなくてはなりません。この場合では壁掛け金具は取付いていないので注文時に同時に手配する必要があります。

5.風の影響
▼アルコーブ設置タイプの場合、給気方向と排気方向が90度ずれていることから、風の当たりが異なり風の強い日には、燃焼に不具合が発生することがあります。

▼これは、給気部に風があたっている時には排気部には風はあたらず、逆に、排気部に風があたっている時には給気部にはあたらないため、給気過剰や排気(給気)不足を起こすので燃焼不良になります。

6.アルコーブにおける風
▼アルコーブ設置の場合には、ドアを開けない限り吹き通しの風がありませんのでアルコーブ周辺は風が無いのと同じ状態になります。これは、建物が風を止めているからで、ドアとベランダを開けると風が室内を通ります。どちらかを閉めると風は止まります。
▼アルコーブ設置においては風が無いために、給排気の方向が異なるアルコーブ設置タイプが使用できます。

7.吹き通しのある壁に取付けた場合
▼排気方向から壁に沿った風が吹いてきた場合には、排気口には風があたりますが、給気口は風に対して横になるため風は通りすぎてしまいます。風は排気口のみにあたりますので排ガスを機器に押し込むことになります。押し込まれた分の給気量が少なくなるので燃焼不良を起こします。
▼アルコーブ設置型と同じような排気カバーに側方排気カバーがありますが、この側方排気カバーがアルコーブ設置型と違う点は、排ガスが両側に吹き出す構造なっていることです。このため、風の吹き抜ける方向と同じ方向に排ガスが流れるため、排気が押さえられることがありません。

▼参考図は、こちらから
http://www.lpgpro.jp/guest/magazine/100215.pdf

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冬になると多くなる問合せ(1月)

保安専門技術者研修専任講師  小澤 正之

冬になり寒くなると、お湯を使うことが多くなってきます。給湯器等の使用時間が長くなってガスの使用量が多くなるだけではなく、気温、水温が下がるために発生する色々な問題があります。

1.給湯器の凍結
▼給湯器の凍結は、水が凍ると体積が約1.1倍と大きくなるため、缶体等水の通路が破裂します。凍結防止装置の作動が3℃前後なのは、0℃では氷と水が存在すること、放射冷却により気温が0℃以上でも凍結する場合があることによるものです。

2.排ガスが白くなる話
▼ガスや灯油は、炭素と水素の化合物です。水素は燃焼すると水になります。排ガス中の水は意外と多く、プロパンガスが1kg燃焼すると約1.6リットルの水が出来ます。冬の寒い日に排気口からの白い煙の正体は、この水で出来た湯気なのです(エコジョーズのような潜熱回収型の給湯器の場合、このような症状は発生しません。)。ただし、黒い煙の場合は、不完全燃焼で出来た煙なので注意が必要です。

3.お湯が白く濁る話
▼冬の朝等に水栓を開けてお湯を出すと、白く濁ったお湯が出ることがあります。容器に入れてしばらく置くと透明に戻ります。虫メガネ等で拡大してみますと小さな泡がたくさん見えます。白く見えたのはたくさんの小さな泡だったのです。
▼では、何故小さな泡が多量に発生したのでしょうか?(泡が大きくなると白く濁ったようには見えません)泡の元の空気は元々水に溶けている空気です。水に溶けている空気の量は水温によって変化します。空気だけではなく、気体が水に溶ける量は水温が低いと多く、水温が高いと少なくなります。 ▼ビールの場合、ぬるい時に栓を抜くと泡がたくさん出ますが、冷えている時はあまり出ません。この現象は、ビール好きな方はご経験があると思いますが、これと同じ原理で、冬は水温が低いので水に溶けている空気の量は多くなるため、夏は白濁が少なく、冬は白濁する例が多いのです。 ▼空気を多く含んだ水を加熱し、お湯にすると空気が溶けていられなくなり、気体に戻る際に泡になりますが、泡になっただけでは白濁しません。自然循環の風呂釜等では上の循環口から、時々大きな泡が出ますがこのように大きな泡になり白濁にはなりません。 ▼白濁するのに必要な要素に圧力があります。ビールの場合、栓を抜く前に泡はありませんが、抜いた瞬間にビールの中に泡が出来ます。気体は圧力が高いと多量の気体が溶けていますが、圧力が低いと溶けていられなくなります。給湯器の場合、水道の水圧がかかっていますので、加熱されてもこの圧力により殆ど気体に戻らず、加圧されたまま水栓まで来て一気に圧力が下がります。丁度、ビールの栓を抜いた瞬間と同じ状態になります。これが細かい泡になる原因です。

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入浴剤の話(1月)

保安専門技術者研修専任講師  小澤 正之

◇入浴感
▼前回の「知って得する豆知識(冬になると多くなる問合せ)」では、「お湯が白く濁る話」をしましたが、お湯に溶けている空気の量により入浴感が異なってきます。
▼温泉に行くと「湯もみ」と言って、板でお湯をかき混ぜています。これはお湯の中の空気を抜く為の作業です。また、お年寄りは一番風呂に入るなとも言われています。これも、人が入るとお湯の中の空気が抜けるからです(最初にお湯につかると体に泡が付きます)。お湯に空気が多く溶けていると硬いお湯に、少ないと軟らかいお湯になります。
▼ご家庭では、きれいなタオル等でお湯をかき混ぜると白濁して空気が無くなります。それから入浴すると、やわらかなお湯になり、「入浴をゆったりと楽しむ」ことが出来ます。

◇入浴剤の話
▼冬になり、「入浴をゆったりと楽しむ」ための商品として、いろいろな入浴剤がデパートや通販カタログ等でギフト商品等として見掛ける機会が増えるようになりました。入浴剤は「家庭で温泉気分」が謳い文句で、中には「温泉よりも皮膚病によく効く。」等と謳われて、販売されている入浴剤もありますが、そもそも温泉水自体は、風呂釜に悪い影響を及ぼすということが知られています。
▼入浴剤として使用されるものや温泉等で販売している湯の花の中には、風呂釜等の腐食、異音、ポンプの摩耗、推移センサーへの影響、風呂釜の点火不良など風呂釜等に影響を与える場合があります。また、外国製の入浴剤の場合は、生活様式等の違いからバスタブ(風呂釜がなく、お湯の落とし込み専用の浴槽)を使用することを前提とした入浴剤である場合が多いので、追い焚き等をする場合には、注意が必要です。

▼以下については、風呂釜等に影響を与える可能性があるものもあり、注意が必要です。
(1) 飲料用の牛乳
→ 詰まり
(2) 塩
→ 腐食
(*) 入浴剤ではありませんが、風呂釜用洗浄剤
→ 異音、ポンプの摩耗、水位センサーへの影響

▼何千種類もある入浴剤について、自社で製造する風呂釜等に使用できるか確認検査をしているガス燃焼機器メーカーはありません。逆に、入浴剤メーカー側で風呂釜等に使用できるかの確認検査をしていますので、個々の入浴剤が風呂釜等に及ぼす影響を知るには、最終的に、入浴剤メーカーに確認するのが一番です。

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The High Pressure Gas Safety Institute of Japan