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知って得する豆知識

毎月1回、LPガスに関する様々な情報を更新しています。
皆様の業務のヒントとしてご活用下さい。
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離隔距離[一般家庭用](12月)

保安専門技術者研修専任講師  小澤 正之

ガス燃焼機器は、壁や天井に密着して取付けることが出来ませんが、これは、防火上・衛生上・修理点検上の理由で決められているためです。ガス燃焼機器に離隔距離は、この3つ理由に基づく数字の内から1番大きな数字を使用します。

1.防火上の離隔距離
防火上の離隔距離は、消防の火災予防条例により定められています。したがって、各消防署によって若干異なることがあります。また、防火上の離隔距離は本体部・排気筒・排気部の3つの規定があります。

(1)本体部
▼本体部は、給排気方式及び構造によって離隔距離が変わってきます。(参照: 「ガス機器の設置基準及び実務指針【(財)日本ガス機器検査協会発行】(以下、この記事において「黒本」という。)」(第6版)後編P.39、[注:平成21年現在、第7版発行])▼直接炎が見えない機器ついて屋外用では、周囲150mm(防熱板45mm)、屋内用(FF)では、45mm(FE 150mm)になります。また、防火性能評定委員会認定品(近接ラベル付)は、ラベルに記載された距離(現在は、後面1cm)以上を離すことになります。

(2)排気筒(参照:黒本(第6版)後編 P.66)
▼排気筒は、排ガスの温度の違い、隠蔽部/開放部の違いにより、離隔距離が変わります。

イ.開放部
◆単管:
・排ガス温度 260℃以上の場合は、150mm以上(断熱材100mm以上)
・排ガス温度 260℃未満の場合は、排気筒の直径の1/2以上
 (断熱材20mm接しないこと)
◆二重管:
・接しないこと

ロ.隠蔽部
・単管は、全て前記の断熱施工をすること。
・二重管の断熱は不要。ただし、20mm以上の距離を取ること。

(3)排気部(参照:黒本(第6版)後編 P.45)
排気方向によって異なりますが、以下の距離でほぼあっています。
・上方 → 300mm
・他 → 150mm
・排気方向 → 600mm

2.衛生上の離隔距離(参照:黒本(第6版)後編 P.48)
衛生上とは、排ガスが室内に流入した場合に、死亡等の事故にならないための距離であって、臭いは、この距離では無くなりません。

◆基本距離
家の開口部(窓等)から排気口は、最短距離で600mm以上離すこと

◆600mm以上ない場合
前記排気部の離隔距離を開口部のある壁面(側壁もあります)に投影し、その中に開口部が入らなければ良い。

3.修理点検上の離隔距離(参照:黒本(第6版)後編 P.114)
修理上の離隔距離は、機器によって異なりますが、一般には機器正面600mm必要になります。▼点検上とは使用者が機器に異常を発見するための最低距離です。高所への設置も禁止になっております。

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給湯器の冬支度(11月)

保安専門技術者研修専任講師  小澤 正之

いよいよ寒さが近づいて来ました。給湯器を使用する機会や時間が多くなってきます。お湯の必要な時に給湯器が動かなくなっては、困ります。給湯器は、冬期になるとどんな状態になるのかを理解しておく必要があります。

1.気温が低い
気温が低いのは当然ですが、寒さは気温以外の条件によっても異なります。

(1)風
▼風が吹くと温度が下がります。風速1m/secで1℃下がるとも言われています。特に給湯器等は家の北側に設置され、冬の北風にさらされています。人間と違ってコートを着せるわけにはいきません。▼風は、温度を下げるだけではなく直接の影響もあります。給湯器だけではありませんがCF、BFやFEの機器では、冬になると調子悪くなることがあります。これは、夏に南風、冬に北風と風の吹く方向が変わり、強い北風によってガス機器の給排気が影響を受け燃焼上のトラブルにつながっているからです。▼あまり、風当たりの強いところの設置は、避けた方が良いでしょう。

(2)晴天の夜
▼昼間の晴天は、日の光で暖かく感じますが、夜の晴天は、非常に寒いことが多いのです。これは、放射冷却といって上空の寒気に向かって地上の熱が吸収されるからです。夏の暑い日に氷柱の近くに行くと涼しく感じるのと同じです。氷柱が上空の寒気、人が地上の熱に相当し人の熱が氷柱に取られるように上空の寒気に地上の熱が奪われます。▼曇りの日は雲がふとんの役目になり、地上の熱が上空の寒気に吸収されるのを防いでくれます。良く晴れて寒気がきた夜の給湯器は、気温より低い温度になります。これを放射冷却と言います。

2.水は凍る
温度が低いと水は凍ります。

(1)氷が水面から張る理由
▼水は温度により重さが異なります。水を加熱していくと上は熱く、下は水です。お風呂の場合は、掻きまわしてちょうど良い温度になります。(自然循環の場合)▼0℃の水と80℃のお湯とでは、どのくらい重さが違うのか、それは80℃のお湯の方が約3%程度軽くなります。1リットルの体積で重さ(kg)を比較すると、0℃の水では約1kgですが、80℃のお湯では約0.97kgになります。▼では、水は0℃が一番重いのかと言うと違うのです。水は4℃の時が一番重い温度なのです。魚が越冬(冬眠)する時は一番底にかたまります。これは、水温が4℃以下になった時は底の方が暖かいからです。▼4℃以下の水温になると水面に向かって低温水が上昇しますので水面の温度が一番低くなります。さらに屋外ですと風によって水面の温度がさらに下がり凍り始めます。したがって、氷は水面から凍ります。

(2)凍るとどうなるの
▼氷は水に浮いていますね。コップに氷を入れ、溢れる位の水を入れます。氷は水に浮いてコップの縁より高くなります。▼この状態で氷が溶けたらどうなりますか?▼コップより飛び出ている氷の分、溢れるのでしょうか?▼実験すると分かりますが溢れません。なぜ溢れないのか、理由はアルキメデスの原理(象の体重、王冠に使用されている金の量の測定が有名)にあります。浮力(浮く力)は水に沈んでいる部分の体積と同等の水量の重さと同じ力になります。体積が1リットルで重さ2kgの金属を水に沈めて重さを量ると1kgになります。これは水に沈めた時に1リットルの水の重さ(1kg)の浮力が金属に働きその分軽くなるからです。水に浮く物は体積(リットル)より重さ(kg)が小さく、沈む物は大きくなります。(水の場合では水に入れる物の体積1リットルに対し1kg以上の重さであれば沈み、以下であれば浮きます)▼つまり、水の中に沈んでいる氷と同じ量の水を凍らせると、浮いている氷と同じ大きさの氷(沈んでいる水量と氷の重さが同じだからです)になりますので、コップの氷が溶けても同じ量の水になるのでコップから水はこぼれません。▼体積の方から考えますと水が凍ると体積は増える(膨張)ことになります。したがって、凍ると体積が増える(約10%増加)ので容器が破損することがあります。ただし、さらに温度が下がると体積は少なく(収縮)なります。▼ジュース等凍らせないで下さいと表記されているのは容器が破損する恐れがあるからです。給湯器や配管も同じで凍ると破損します。

3.凍らせない方法
水が凍らない様にするためには、火災時の消火と同じことをすると良いのです。

(1)水を無くす(消火の場合、空気を遮断する。)
▼水抜き栓や排水栓で凍る水をなくしてしまえば凍りません。地域によっては家中の水を全て排水し、凍結防止をしている地区があります。不凍栓と呼ばれているバルブを要所(窓等から手の届く位置)に取付け、配管に勾配をつけ、更に特殊な水栓(吊コマ栓)を使用しております。▼給湯器には、必ずと言って良いほど排水栓があります。これは水道の規定で沖縄県を除く全県付けなくてはならないことになっています。▼また、排水を完全に行っても給湯器の止水栓が凍結すると閉まりが悪くなり、水が給湯器の中に入ってしまうことがあります。(寒冷地では、止水栓を地中に入れて凍結防止をしている地区があります)

(2)加熱する(消火の場合、冷やす=水を掛ける。)
▼加熱方法には燃焼による方法と電気ヒーターによる方法の2種類があります。電気では停電時には作動しませんし、燃焼による方法では故障時には同じように作動しません。長期間お留守にする時には、上述の(1)の排水を行うと安全です。▼凍結防止運転をF点運転,凍結防止ヒーターのサーモスタットをF点サーモと呼んでいますが、F点とはfreezing point(=氷点)のことを言います。▼加熱とは若干違いますが、保温があります。保温は加熱しませんので、数日若しくは数時間で凍結することがあります。また、保温は保温された配管等の温度を保つことですから、温熱も保温しますが冷熱も保温します。万一凍結するとなかなか溶けないことになります。▼また、水道管は地中に埋められていますが、邪魔だから埋めているのではなく地熱で凍ることを防止しています。したがって、地域によって埋設する深度(凍結深度)が異なります(例えば、札幌では60cm以上、釧路では120cm以上)。決められた深さ以上に埋設しないと凍結します。また、給湯器の(器具側の)止水栓も地中に埋める地区もあります。当然、開閉の操作が出来るようになっています。

(3)水を流す(消火の場合、燃える物を取り除く。)
▼凍る前に捨ててしまう方式で、高速のドライブインの洗面所等では、冬になると便器や手洗いの水栓からチョロチョロ水が流れていることがあります。これは、0〜2℃程度の水温が維持できる状態の量を流していれば凍ることが無いからです。▼給湯器では、いつも流しておくことが出来ませんので、気温+水温を感知して自動的に水を流したり止めたりする低温作動弁を使用して凍結防止をします。▼水道局によっては、凍結防止の方法を指定していることがありますので注意して下さい。

4.凍らせないために
▼最近の給湯器は電気ヒーターが内蔵されており、機器内部での凍結は、ほとんどありません。▼しかし、冬の寒い朝、お湯を使おうとしてもお湯どころか水も出ないことがあります。昼ごろにやっとお湯が出て、使用できる原因はほとんどの場合、給湯器の元栓が凍ってしまって、栓を閉めているのと同じ状態になってしまうからです。▼上述の3(2)のように元栓を地中に埋めるのは、凍結を防止しているからです。このような事が無いように元栓にコート(ボロ布で良い)を着せてあげましょう。ただし、雨で濡れたら交換して下さい。人間も濡れた洋服ではもっと冷えてしまいます。

5.凍ってしまったら
▼凍ってしまって破損した場合(漏水)には、修理しなくてはなりませんが、破損しているか否かは溶けてから漏水しているか否かをみます。凍結はそのまま放置していてもいずれは溶けますが、時間がかかります。特に保温をしているとなかなか溶けてくれません。

(1)溶けるまでの注意
▼配管の中の氷は、溶けて流れができると一気に溶け出します。これは、水の持っている熱(水度(8℃)[注])で溶けはじめるからです。▼よく、凍結で水栓から水が出ないので、そのままにしたり、凍結によって配管等が割れていた場合等気が付くとザーザー水が出ていたと言うことをよく聞きます。▼溶けて水が出るまでは、水栓や元栓(水道メーターの所)を締め時々溶けを確認してください。

[注]:水道局等が目安としている埋設配管中の水道水の温度

(2)給湯用水栓のみ出ない(水も)
▼最近の給湯器の本体は、内蔵の電気ヒーターで凍結防止がされていますが、配管(特に給湯器近くの元栓)が凍結する場合があります。寒冷地では、配管の凍結を溶かす機材(電流をかける=電気ロー付け器と同じ原理)をリースしていますが、寒冷地以外では存在すら知られていません。また、すぐにでも使用したいのに半日以上(通常昼前後)待たなくてはなりません。▼早く使えるようにするには、当然、加熱しますが、あまり急激に加熱すると元栓が割れてしまうことがあります。これを防ぐには、元栓に雑巾やタオルを巻き、熱いお湯をゆっくりかけて溶かします。少しでも流れたらお湯をかけることを止めてください。

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一酸化炭素と排ガスの臭い(10月)

保安専門技術者研修専任講師  小澤 正之

▼一酸化炭素(CO)は、LPガスが不完全燃焼したときだけではなく、炭(タドン)や石炭(練炭、豆炭)を燃焼させても発生します。
炭や石炭の場合、成分が炭素(C)だけなので排気ガスは、二酸化炭素と一酸化炭素[*1]と余分な空気になり、臭いはしないはずですが、炭は活性炭のように保管場所の近くに臭いの強い物が置かれていると臭いが移り、燃焼時にその臭いが出てきます。
▼石炭は成分に微量なイオウが含まれており独特なイオウの臭いがします。LPガスはプロパン[*2]で炭や石炭と異なり水素が含まれています。完全燃焼をすると二酸化炭素と水[*3]になり、臭いはしませんが、酸素不足や炎が低温のものに触れ温度が低下すると不完全燃焼します。▼炭や石炭ですとCOの濃度が高くなるだけですが、プロパンは燃焼していきなり二酸化炭素と水[*3]になるのではなく、少しづつ酸素を取り入れプロパンでない物になり、徐々に二酸化炭素と水[*3]に変ってきます。その途中には、熱を吸収して化学反応する成分もあります。不完全燃焼すると変化途中の物質がそのまま排気ガスと一緒に排出されます。▼その物質の中に蟻酸やアセアルデヒドのような臭いのする物質が含まれおり、排気ガスに臭いがあった場合は、不完全燃焼していることになります。不完全燃焼した排ガスの臭いは、ガス機器を点火した直後に一瞬出る臭気[注]と同じ臭いです。

▼本文中の[*1]、[*2]、[*3]の注意書き及び関係分子式は、こちらから

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CO中毒事故の怖さと防止(9月)

保安専門技術者研修専任講師  小澤 正之

<ガスの使用中にいつもの臭いと違う異臭を感じたら不完全燃焼>

CO(一酸化炭素)の怖さは、COが無色透明・無味無臭の為に気が付くのが遅れるからだと良く言われますが、COの怖さは、それ以外にもあります。それは、COを吸うと、眠気と運動能力の低下が起こることです。▼CO中毒は、COと血中のヘモグロビンとが結合して体全体に酸素を運べなくなり、体中が酸欠状態になるからです。急速な酸欠状態になると、自分が眠くなったと自覚する前に眠ってしまいます。たとえ眠くなる前に気が付いたとしても体を動かすことは疎か、声を出して助けを呼ぶことすらできません。▼CO濃度が薄い場合には、酸欠もゆっくりと進行し、頭が痛くなる等の自覚症状が出ますが、死亡事故の場合、測定不可能なCO濃度になっていることが多く、自覚症状が出る前に眠ってしまい、この状態から逃げることもできません。ここがCO中毒の怖いところです。▼では、防止するためにはどうすればよいのでしょうか。それは、自分の置かれている環境を十分に理解しておくことです。▼プロパンは、炭素のみで構成される炭とは異なり、炭素と水素の化合物ですので、燃焼すると空気中の酸素と化合して水と炭酸ガスとに変化します。しかし、一気に水と炭酸ガスに変化するのではなく、途中、いろいろなものに変化しながら最終的に水と炭酸ガスになります。▼このため、不完全燃焼が起きるとCO以外に発生するものがあります。不完全燃焼の排ガスの中には、生ガス(未燃焼のLPガス)にも入っていない成分が微量に含まれていますが、その中には、蟻酸[注1]やアセトアルデヒドのように臭う成分が含まれています。▼COは無臭ですが、ガスの使用中にいつもの臭いと違う臭気[注2]を感じたら不完全燃焼を起こしている可能性があります。その時は、燃焼状態を確認したり、ガスの使用を止める必要があります。ガスを使用する場合には、臭いに敏感になることも事故防止の一つになります。

[注1] 蟻酸(ぎさん): カルボン酸の一種。無色の刺激臭のある液体。アリやハチの毒腺(どくせん)やイラクサのとげなどの葉に含まれ、皮膚にふれると水疱(すいほう)ができる。最初にアリを蒸留して得られたところからの名。有機薬品の合成原料・溶剤・皮革加工などに用いる。化学式HCOOH(出典:大辞泉[辞書])

[注2] 点火時に一瞬発生する臭いと同様の臭気

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密閉式の機器によるCO中毒事故(9月)

保安専門技術者研修専任講師  小澤 正之

密閉式(BF、FF)の燃焼器でのCO中毒事故は稀ですが発生しており、例えば、灯油を燃料とするFFのストーブでの事故、15年ほど前に山梨県山中湖のリゾートマンションで発生したFFの給湯器での事故、鉄板製のBF風呂釜(最近はあまり聞きませんが、1998年ごろまで製造されていました。)での事故等がありました。▼BFやFFには小型湯沸器やファーンヒーター等と違った密閉式の燃焼器特有の不完全燃焼の原因を持っております。▼山中湖に代表される排気の詰まり(鳥の巣)ですがBF、FFは鳥がトップ内に入らないように、以前からスリット部の間隔が16mm以下に作られております。しかし、変形やスリット部を構成している部材の脱落で16mm以上開いてしまうと鳥が侵入し、ここで営巣されると排気閉塞となり不完全燃焼しますが、通常は室内に対し密閉となっているのでCO中毒には結びつきません。ところが、山中湖での事故の場合は排気管に穴があり、その穴からCOを大量に含んだ排ガスが室内に漏れてCO中毒事故が発生しました。▼密閉式特有の不完全燃焼には、給気漏れがあります。密閉式は風が吹いてきても給気・排気に同じ力の風があたり給気と排気との気圧がバランスし、機器にとっては機内圧が上昇しただけで燃焼は支障なく継続します。しかし、給気側に開口部(例えば、腐食孔、隙間、点火確認窓の外れ、給気筒の外れ等)があると給気側の気圧が下がり、気流は排気筒から機内に逆流し不完全燃焼します。不完全燃焼してCOを含んだ排ガスが開口部から室内に噴出しCO中毒になります。灯油用のFFストーブでの事故がこれに該当します。▼風が吹いてるときに本体や給排気筒から風が吹き出すことが無いか、点火が見難いからといって点火確認窓(のぞき窓)を外していないか[注]等、日頃の注意が必要です。

注:点火確認窓(のぞき窓)は、歯磨き粉等を使って掃除をすると汚れが良く落ちるので、中が良く見えるようになります。

▼LPガス保安技術者向けWebサイト
「学習プログラム(CO中毒事故防止)」はこちらから

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追焚きすると風呂釜から泡が出る(8月)

保安専門技術者研修専任講師  小澤 正之

▼浴槽に入っていると体に小さな泡が付着します。その泡はどこから来たのでしょう。泡は水に溶けている空気が体毛の刺激によって気体に戻ったものです。風呂釜も似た理由で溶けている空気を気体に戻しています。気体に戻った空気が泡になって循環口から出てきます。▼ここで、水温と空気の溶存率との関係を見ると、下の一覧のとおりで、気体は水温が低いほどたくさん溶けています。▼焚き始めの水には空気が多く溶けていますが温度が上がるにしたがって溶けていられなくなり気体に戻ります。▼例えば、生ぬるいビールは、栓を抜くとたくさんの泡が出ますが、冷たいビールはほとんど出ません。これと同じで20℃の水1リットルの中には0.019リットルの空気が溶けていますが60℃(浴槽の上の温度)のお湯には0.012リットルしか溶けていられません。従って残りの0.007リットルの空気はどうなったのか、そうです気体に戻ったのです。この気体が循環口から泡となって出てきます。泡の量は水温の低い冬のほうが多く出ます。▼また、泡の出方ですが循環パイプの勾配によって変ります。上り勾配(浴槽側の方が高い)で循環が良いと比較的小さな泡で連続的に出ます。水平に近いと比較的大きい泡で間隔を置いて出てきます。また、焚き返しや時間を置いたお湯の空気はほぼ出きって泡はほとんど出ません。

★水温と空気の溶存率との関係
 水温 : 空気の溶存率
 0℃ : 0.029
20℃ : 0.019
40℃ : 0.014
60℃ : 0.012
80℃ : 0.011
(注)空気の溶存率(水1リットルに溶けている空気量(リットル))は、気圧1013hPa時)

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風圧の話(3月)

保安専門技術者研修専任講師  小澤 正之

▼ガス機器では、耐風性能を風速15m/sec以上と規制されていますが、風速15m/secとはどのくらいの風なのでしょう。風速15m/secの風は8mmH2O(=8kg/m2=78.5Pa、以下、本稿ではSI単位を扱わない。)の風圧があり、これはFE機器の基準になっています。▼戸建てでは起きませんがマンションのように風が強いところでは、小さなお子さんではドアを開けられない事があります。これは、ドアにあたった風の力によって、ドアを開けるための力が余分に必要になるからです。▼では、ドアに風速15m/secの風が当たっている時、ドアを開けるためには余分な力がどれだけ必要になるかを計算してみましょう。
▼風がドアにあたった時に加わる力は、次の式から計算できます。

ドアに加わる力=ドア面積×風圧

ここで、ドアの大きさを「1800mm×900mm」とすると、風速15m/secの風がドアに加える風圧は8mmH2Oですから、上の式に代入すると、次のとおりになります。

ドアに加わる力
=1800×900×8
=12,960,000(mgf)
=12.96(kgf)

▼以上により、風速15m/secの風がドアにあたるとドアを12.96kgfの力で押していることになりますが、ドアは片開きですからテコの原理が作用しますので、開ける時には半分の6.48kgfの力が余分に必要となります。▼ところで、換気扇でも風と同じ現象が起きます。風圧は屋内外の気圧差が力になりましたが、密閉度の高い部屋では換気扇を使用することによって室内の気圧が下がり屋内外に気圧差が生じ、ドアが開かなくなることがあります。▼風の力はこれだけ強いのです。CFの風圧帯内のトップ、BF・FFの密閉不良、FEの排気筒のシール不良等があると不完全燃焼、炎あふれ等の異常燃焼が生じることになります。風は、目に見えないこと、吹いていない時には問題がないこと等により発見し難いので、施工時には、十分な注意が必要です。

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「末端ガス栓」の処理(2月)

保安専門技術者研修専任講師 伊藤 義亮

■みなさんは、使用されていない「末端ガス栓」をどのように処理していますか?
「総てにキャップを施している。」と答えられた方、末端ガス栓のその処理は、法令上、正しいですか?その「キャップ」は、誤開放の時でも流出するガスを止める機能がありますか?
今回は、使用されていない「末端ガス栓」の処理について確認してみましょう。

■LP法令では「供給設備、消費設備及び特定供給設備に関する技術基準等の細目を定める告示(平成9年3月13日通商産業省告示第123号)」において、次のとおり規定されていますが、この規定の目的は、使用していない末端ガス栓を誤開放した時のガス放出防止対策であることを認識しましょう。

(燃焼器と接続されないで設置されている末端ガス栓の設置方法)
第11条 規則第44条第1号ヲただし書の燃焼器と接続されないで設置されている末端ガス栓の設置方法は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1)安全機構を内蔵すること。
(2)金属製の栓をねじにより接続すること。

■お客様の設備においては、以下の末端ガス栓が実際に使用されています。
(1)ホースエンド口タイプのヒューズ(注1)のないガス栓
(2)ON−OFF機構(注2)のないホースエンド口タイプのヒューズガス栓(初期のもの)
(3)ON−OFF機構のあるホースエンド口タイプのヒューズガス栓
(4)迅速継手口タイプのヒューズのないガス栓(バルブ(注3)付)
(5)ON−OFF機構のない迅速継手口タイプのヒューズガス栓(バルブ無し)
(6)ON−OFF機構のある迅速継手口タイプのヒューズガス栓(バルブ無し)
(7)可とう管ガス栓

(注1)ヒューズ: この文書において「過流出防止機構」を単に「ヒューズ」という。
(注2)ON−OFF機構: つまみを中途開放状態にしてもガスの流出が不完全閉止状態とならない弁構造
(注3)バルブ:コンセント口にある迅速継手を着脱した際に開閉する弁をいう。

■これらの末端ガス栓にどの様な処理をすれば、災害防止や保安の向上に繋がるのでしょうか?ガス栓の種類毎に確認してみましょう。
(1)ホースエンド口タイプのヒューズのないガス栓:
→このガス栓がついていることは法令違反。すぐに法令に適合したものと交換する。(「ON−OFF機構のあるヒューズガス栓」又は「ガスコンセント」が望ましい。なお、末端ガス栓の交換は、LP法令の規定により「液化石油ガス設備士」が行なわなければなりません。念のため。)
(2)、(3)ホースエンド口タイプのヒューズガス栓(各種):
→「ゴムキャップ(LIAの検査合格品)」をホースバンドで固定又はつまみを回せなくするための「閉栓カバー」を取り付ける。
(4)、(5)、(6)迅速継手口タイプのガス栓(各種):
→「閉栓カバー」を取り付ける。
(7)可とう管ガス栓:
→金属栓を用いて閉栓する。

参考資料(リンク)
JLIA HP「LPガス供給機器ニュース」No.12 末端ガス栓


■ゴムキャップについて
製造事業者が出荷する時に末端ガス栓のガス流出口に付けた保護キャップ(樹脂製)は、製品保護が目的であり、誤開放時に流出するガスを止める機能がありません。
末端ガス栓がホースエンド口タイプの場合には、LIAの検査合格品のゴムキャップを使い、取り付けたゴムキャップには、ホースバンドを用いてしっかりと固定しましょう。また、ゴムキャップは、経年等により気密保持性能が劣化すると微少漏れの原因となり、この場合、末端ガス栓の「ヒューズ」が作動しない場合がありますので、その劣化や定期交換の時期にも注意が必要です。(参考資料)
なお、迅速継手口タイプの場合は、ガス出口を閉塞するための「ゴムキャップ(LIAの検査合格品)」がないことも認識しましょう。

参考資料(リンク)
保安専門技術者研修用テキスト(保安業務ガイドの「ヒヤリハット」抄))


■閉栓カバーについて
一昨年、(社)日本エルピーガス供給機器工業会から「閉栓カバー」が紹介されました。
この製品の取付けの義務はありませんが、「誤開放したら」ではなく「誤開放させない」対策ですから、より高いレベルの保安対策と言えます。

参考資料(リンク)
JLIA HP「LPガス供給機器ニュース」No.17 閉栓カバー


■いかがでしたか?災害を防止するためには、自主保安をすすめていくと共に、お客様の使用条件にあった対策、管理が必要です。
答えは『現場』にあり。

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液化石油ガス用ガス栓(1月)

保安専門技術者研修専任講師  伊藤 義亮

■液石法の法令を理解するうえで注意しなければならないことは、日常無意識に使っている言葉でも個人の理解、イメージが異なる場合があります。そのような時は、同じ土俵で会話をしていないことになり、解釈に違いが起こることになります。
今回は、何気なく使っている言葉が総称であって使用場所、目的等により数種類のものがある例として『ガス栓』について関係する法律、規則等をまとめてみました。

▼液化石油ガス用ガス栓:

【施行令第3条(液化石油ガス器具等)】
法第2条第7項の液化石油ガス器具等は、別表第1のとおりとする。別表第1(第3条関係)
9 液化石油ガス用ガス栓(燃焼用の機械又は器具の部品として用いられる構造のものを除く。)

【施行令第3条関係通達】

6 「液化石油ガス用ガス栓」とは、調整器(燃焼器具から最も近いものをいう。)から燃焼器までの間に設置される供給管又は配管に主として接続されるものをいう。
ただし、ホースガス栓のうち本体が箱内に収納されるボックス型ガス栓であって、本体と入り口側接続部が分離できるものは、本体のみをもってガス栓とみなすことができる。

▼参考資料:【ガス栓(JISS2120)】
1.適用範囲 この規格は、圧力15kPa以下の都市ガス又は液化石油ガスの、主に一般家庭用の低圧配管に使用するガス栓について規定する。

■液化石油ガス用ガス栓は、LPガス設備の低圧配管等に設置し、LPガスの通路を開閉するものであり、使用場所及び目的によって区分されています。

・ホースガス栓・可とう管ガス栓・機器接続ガス栓:
→ 末端ガス栓としてガス燃焼器の側近に設置して使用するガス栓

・ねじガス栓:
→ 中間ガス栓(メータガス栓)と呼ばれ、主に圧力調整器の出口側、ガスメータの入口又は配管の途中や分岐箇所等に設置されるガス栓

■このことから、ガス栓の設置については使用場所、目的に適合したものを選定する必要があります。特に、末端ガス栓と燃焼器具との接続は燃焼器具の種類・ガス栓の種類・接続具及び接続方法について【供給、消費・特定供給設備告示第10号】で規定されており、正しい接続方法で接続すると共に漏えい等の事故防止のための維持管理を行いましょう。

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The High Pressure Gas Safety Institute of Japan