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知って得する豆知識

毎月1回、LPガスに関する様々な情報を更新しています。
皆様の業務のヒントとしてご活用下さい。
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ガス機器の設置場所によるトラブル例 3 ガス機器の見えない設置(12月)

メールマガジン分科会委員 小澤 正之

基本的にガス機器は見える状態で設置しなくてはなりませんが、いくつかの設置では機器が見えない状態の設置方式があります。

1.PS扉内設置
2.FF機器のPS(パイプシャフト)内設置
3.CF,FE,RF機器のチャンバー設置
4.壁組込み設置の扉内
5.FF機器の全面にやむを得ず扉を設ける場合

色々条件はありますがこの5つの設置の場合はドア等によって直接機器を目視することができません。そのために危険な状態や二次災害の発生する故障(漏水等)を発見することがむずかしくなります。

いつも点検していただけるのなら事故等にはつながりませんが、毎日ドアを開けて点検していただくことは不可能に近いと思われます。

この状態でトラブルの発生率が高くかつ被害の大きいものに漏水があります。漏水は下の階や床等に被害が出ますので点検して頂くことが重要です。

一方、漏水と間違われるクレームとして、本体に組み込まれている水の過圧逃がし弁(安全弁)からの数ccの水の吹き出しがあります。これは給湯器の給水管には逆止弁が取り付けられているため、水回路は密閉状態です。
そのため給湯後、余熱により湯温が上昇し膨張した水が過圧逃がし弁から吹き出す現象です。附属のビニールチューブ等を利用して適切に排水処理してください。

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ガス機器の設置場所によるトラブル例 2 階下給湯(11月)

メールマガジン分科会委員 小澤 正之

最近1,2階がお店で3,4階が自宅、給湯器の設置が屋上という建物を見かけます。このように階下に給湯する時に注意するのが圧力です。
昔はガスの給湯器に貯湯式があったのですが、最近の給湯器のほとんどが瞬間式給湯器に変わってしまいました。そのために階下給湯したときにトラブルが増えてきています。

貯湯式給湯器は減圧逆支弁を使用しているので給湯器内部の圧力がマイナスになる事がほとんど無いので階下給湯に使用できたのですが、瞬間式給湯器には過流出防止のための部品(水ガバナー等)が組込まれています。そのため、多量の給湯をするとサイホン現象のため給湯器内部(過流出防止が作動して水回路を閉塞していく)の圧力がマイナスになります。

マイナスになると沸点が下がり最悪では沸騰します。沸騰する事はほとんど無いのですが、水に解けている気体(空気)が汽水分離し多量の気体が発生します。特に水温の冷たい冬季ではかなりの量(水源,水温,水圧によって異なります)になり、空焚き状態が発生します。
給湯器への影響が無くてもシャワーの温度が安定しない、シャワーが途切れるというクレームにつながります。

参考資料(リンク)

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ガス機器の設置場所によるトラブル例 1 吹き溜り(10月)

メールマガジン分科会委員 小澤 正之

落ち葉やごみ等が風に吹かれて一箇所に集まる吹き溜りにガス機器を設置した場合、燃焼上のトラブルを発生する事があります。 吹き溜りでは風の吹き通しが無いため一箇所に落ち葉等がまとまります。このような場所にガス機器が設置されると排ガスが拡散されない事があり、排ガスを吸気してしまい燃焼不良を起こすことがあります。

燃焼不良だけではなく落ち葉に火が移って火災になった例もあります。
吹き溜りになりやすいところとしては壁のくぼみやL型に壁が曲がっている場所,ライトコート間口の狭い場所で発生します。

※ライトコートとは、採光のためにつくられる中庭のこと。
光庭、ライトコア、ライト ウェルと呼ばれることもある。
(佐野和四郎 元KHK理事著「私説 保安事始」より)

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法は社会現象の後を追う?(3月)

産業保安に関連のある法律と異なり、圧縮瓦斯及液化瓦斯取締法 は「産業面や生活面その他如何なる分野でも、所定の条件に達したガスは、目的を問わずすべて規制する。」ように定められています。
この文言が条文中に直接あるわけではありませんが、特定の産業や物質を対象にしたものでなく、特定の状態を対象にした大変ユニークな定め方であったわけです。

その結果、法制定の翌年(大正12年)、高圧操作によるアンモニア合成工業が興り、「自動的」に法の規制対象に入りました。尤も、このアンモニア合成は、立案作業中すでに予想されていたことではありましょう。

戦後になり、エアゾールが日本でも普及しました。これも自動的に法の対象になりました。そして何よりも、LPガスの出現です。このとき、その入口(出口?)に高圧ガス取締法が待ち構えていた格好で、実にうまい具合に(?)、高圧法の対象になったのです。その後興った石油化学工業も同様です。
30年余を遡る先人の先見の明がなければ、当局は打ち続くLPガスの事故に対処するため、新たな保安立法の必要に迫られたでありましょう。(結局、一般消費者の保安確保を目的とした「LPガス法」の制定は、昭和42年になされましたが。−事務局注)

ところで、この「状態規制」はまことに絶妙な規制対象のとらえ方であったわけですが、前述しましたように、旧法時代そのとらえ方は現在のように規制対象の定義(又は適用範囲)を正確に示していたわけではなく、この影響は運用面にも及んでいたようです。

およそ法律というものは、圧縮瓦斯及液化瓦斯取締法に限らず、将来現れるやも知れない万象を想定して定めることは不可能です。「法は社会現象の後を追う」ものと聞かされていますが、たしかにそういうものなのでしょう。

そのようなことに対して、仮に圧縮瓦斯及液化瓦斯取締法の状態規制をその功罪という角度から眺めてみますと、功の部分は前述したようなことがそれに該当すると言えましょう。では、多少なりとも罪な部分がもしあるとすれば、それはどんな部分が該当するのでしょう。

一律に圧力で線引きをし、ガスの種類や量(製造量等)の条件が適用上の線に入っていない規制下では、本来想定していなかった分野や仮に事故が起こっても大きな被害を与えない対象を適用除外するのは、むしろ当然でありましょう。適用除外をするものの考え方については、当時の法施行令解説に、次のように述べています。「或る特殊の用途に用いられているために本法を適用することが無理であり、適用しない方の利益が大であると考えられるもの」としています。「適用しない方の利益が大」とはまことに至言でありましょう。
(佐野和四郎 元KHK理事著「私説 保安事始」より)

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昔の保安距離の考え方は?(2月)

大正12年に施行された「圧縮瓦斯及液化瓦斯取締法」では、その施行令において保安距離が次のように定められていました。
(ガスを圧縮又は液化する等の作業室、貯槽、貯蔵所等は)其の外側より左の距離を保有すべし

これが昭和11年に改正され、「皇陵」が第1号に移行し、第3号が削除されましたが、新たに第2項として次の条文が加えられました。
「前項の施設は其の外側より前項第1号に掲ぐるものへ200メートル以上、前項第2号に掲ぐるもの及び人家へ20メートル以上の距離を保有すべし」

この改正条文の意味は、解説がないと絶対にわかりません。
当時の解説書によりますと(運用もこのとおり)、第1項柱書きには「新設せんとするとき」とあり、第2項に「保有すべし」とあるのは、工場設置後、先方が近寄って来ても、第2項の距離内には、工場側の責任において先方が近寄って来られないようにせよという意味なのです。

即ち、学校、病院等(現在の第1種保安物件に相当するもの)に対して100メートルとあっても、これは新設のときだけです。
その後相手が近寄って来たときは、20メートルでよいことになります。

これは、相手方が近寄って来るのは、「危険を承知の上のことだからやむを得ない」という考えによるとのことです(前掲解説書による)。

人家に対しては、新設時もその後も20メートルです。昔のような考え方が今の世に通用するものならと思う人びとも関係者の中にはいるかも知れません。
(佐野和四郎 元KHK理事著「私説 保安事始」より)

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事故の教訓を生かす・今昔(1月)

圧縮瓦斯及液化瓦斯取締法施行令のうちで、筆者が特徴的と思ったものをこれから幾つかあげてみます。

初めは、充てん容器の貯蔵、運搬及び取扱いに対する基準についてです。
「牛馬車にて運搬する場合に在りては牛馬取付のまま積卸を為さざること」
今日、LPガススタンドで、ガス補給中や補給後にホースを外さないうちに、思い違いから発車してしまう事故が稀にあります。これに対して現在では「容器とディスペンサーとの接続部分を外してから車両を発車させること」という基準があります。大正時代の基準は、この基準の源流というところでしょうか。

大正の基準の発想は、前号でご紹介した白金台の事故の教訓からではないでしょうか。この事故は積卸し中のものではなかったようですが、もし、積卸し中に牛馬が暴走したら大変ですから。

ここに例としてあげたのは、牛馬車が大正時代の象徴だからではないのです。牛馬の暴走とドライバーの思い違いとは次元の違う問題かも知れません。今日では、この対策として、このような場合でも、ガスの流出が自動的に止まる安全装置が考案されています。(いざというとき、うまく利いてくれない心配はあります。) 当時の技術基準の多くは、先進国の例を参考にしたと聞いていますが、この牛馬車だけは、「日本独自のノウハウ」だったに違いありません。

現在の「事故の教訓を生かす」は、すでに当時からあった哲学であり、当然のことながら、それは父祖伝来の美風なのでありましょう。
(佐野和四郎 元KHK理事著「私説 保安事始」より)

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The High Pressure Gas Safety Institute of Japan